キャリアアップ・資格

徹底解説!特定保健指導で活躍する管理栄養士になるには?

特定保健指導」。
40~74歳の医療保険加入者に義務付けられている特定健康診査において、対象に選ばれた人に対して行われる指導を指します。
主にメタボリックシンドロームや生活習慣病の予防と改善を目的に行われており、リスクの小さい対象者向けの「動機付け支援」と、リスクの大きい対象者向けの「積極的支援」に分かれます。

動機付け支援 個別面接またはグループ支援を原則1回行います。対象者が自らの生活習慣を振り返り、ライフスタイルに合った行動目標を立て、その通りに生活を続けられるきっかけづくりを支援します。3か月後に電話やメール、手紙などで評価を行います。
積極的支援 動機付け支援に加えて、3か月以上定期的・継続的に連絡をとって生活習慣のサポートやアドバイスなどを実施します。その後電話やメール、手紙などで評価を行います。

この特定保健指導を行うのが、医師、保健師、そして管理栄養士です。
動機付け支援では本人の健康意識を変えるための指導が中心になりますが、積極的支援ではより実践的な食事指導と運動指導が行います。
生活習慣病をはじめとした、さまざまな病気の予防・改善には食事と運動の生活習慣の見直しが必要になります。そこで、食事の管理指導を行う管理栄養士は特定保健指導において重要な役割を担っているといえるのです。

今回の記事では、特定保健指導にかかわる管理栄養士に必要なスキル、さらに活躍の場が広がる「特定保健指導担当管理栄養士」の資格などについて解説します!

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特定保健指導における管理栄養士の役割


特定保健指導で必要なのは、指導の対象になった人の食事の問題点はどこかをいち早く察知し、その人にあった食べ物の選び方と食べ方を教えること
メタボリックシンドロームほか生活習慣病の改善のためには、管理栄養士による栄養指導が非常に重要なのです。
特定保健指導は保健師が主導で行うものと思われがちですが、その実、管理栄養士の役割が重視されます。

求められるスキル

特定保健指導に必要なスキル

・病気に関する知識
・コミュニケーション能力
・カウンセリングやコーチングなどに関わる指導力

指導対象者の健康状態を的確に把握し適切な保健指導を行うため、特定保健指導に携わる管理栄養士にも多くのスキルが求められます。
病気に関する幅広い知識はもちろん、指導対象者との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力も必要です。
また、対象者に健康改善に向けた意識やモチベーションを持ってもらうためにも、カウンセリングやコーチングといった指導に関する知識・経験も必要になるでしょう。

特定保健指導に関わる管理栄養士には、対象者の行動を変えさせるような高い能力が求められるのです。

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特定保健指導担当管理栄養士とは


日本栄養士会では、管理栄養士のキャリアアップの一環として、特定分野で活躍する管理栄養士を認定しています。現在では5つの分野において認定を行っていますが、そのうちのひとつにあるのが「特定保健指導担当管理栄養士」です。
日本栄養士会、都道府県栄養士会が実施する研修を修了している管理栄養士で、一定以上の資質と活動実績を備えた会員を認定します。
特定保健指導を担当する管理栄養士の資質を担保するものであり、また、この認定があることによって活躍の場を広げることができます。

特定保健指導担当管理栄養士になるための要件は>

特定保健指導担当管理栄養士になるためには以下の3点が必要になります。

  1. 管理栄養士であること
  2. 日本栄養士会生涯教育制度に参加し、自己研鑽をしていること
  3. 日本栄養士会および都道府県栄養士会が実施する「保健指導担当者研修会」を修了していること

保健指導担当者研修会

「保健指導担当者研修会」については、日本栄養士会・各都道府県栄養士会が実施する研修会です。
今後の実施予定などは、日本栄養士会のホームページから

認定までの流れ

1.書類、事例審査
審査に必要な書類(※)と、保健指導に関する事業事例や指導事例を5つ以上提出します。
審査料は日本栄養士会の会員で5000円、非会員で10000円です。

(※)詳細は公益社団法人 日本栄養士会「特定保健指導担当管理栄養士」を参照

2.特定保健指導活動の概要と事例報告の審査結果をもって合格
合格の基準は以下の通りです。

  1. 活動概要より、特定保健指導を継続して実施していること
  2. 事例報告より、特定保健指導を理解し適切な手法を用いて実施していること
  3. 事例報告より、結果の良し悪しにかかわらず事例についての評価考察が適切に出来
    ていること
  4. 虚偽の報告でないこと

3.「特定保健指導担当管理栄養士」に認定
資格の有効期間は認定日から5年です。認定料は会員で10,000円、非会員で20,000円になります。

なお、資格の更新のためには認定を受けてから5年間の活動実績の事例報告書を提出した上で、一定のフォローアップ研修を受講し、更新のための審査を受ける必要があります。
更新料は会員で5,000円、非会員で10,000円です。

特定保健指導担当栄養士が働く場所

特定保健指導を実施している業務委託会社に所属し、企業などに訪問して栄養指導を行います。

資格の認定者数

日本栄養士会によると、2017年度末で特定保健指導担当管理栄養士の認定者数は141人。まだまだ多いとはいえない数ですが、それだけに特定保健指導のスペシャリストとして存在をアピールできるかもしれません。

編集者より


さまざまな生活習慣病を引き起こす大きな要因となる食習慣。それゆえに、特定保健指導における管理栄養士の役割も大きなものです。

疾病予防が重要視される現代社会、特定保健指導の勉強や認定資格の取得は管理栄養士としてのキャリアにきっと役立つはずです。

参考文献・サイト

  • 公益社団法人「特定保健指導担当管理栄養士」(2019/02/27)
  • フードキャリア「特定保健指導に必要なスキルは?」(2018/09/07)
  • クボタ健康保険組合「特定健診・特定保健指導」(2019/02/27)
  • 全国健康保険協会「健診後の保健指導・健康相談」(2018/05/10)
  • 栄養士の就職・転職なら「栄養士のお仕事」におまかせ!

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