取材・インタビュー

元スタッフに聞きました!ジム・スポーツクラブで働く管理栄養士のホンネ話~業務内容・やりがいなど~

スポーツクラブ 管理栄養士 取材 インタビュー みんなの食場

ジムやスポーツクラブで働く人というと、フロントのスタッフやトレーナーなどが思い浮かぶかと思います。

ところが近年は、ジム・スポーツクラブのスタッフとして栄養士・管理栄養士の採用を募集する企業も珍しくない様子。

「栄養士・管理栄養士がジムやスポーツクラブで働けるの?」
「実際どんな仕事をするの?……」

という初歩的な疑問ややりがい、ほかの管理栄養士の仕事とはどんな違いがあるのかなど、ちょっと興味が湧きますよね。

というわけで、かつて栄養士・管理栄養士としてジムに勤務した経験をもつ黒川あかりさん(仮名)さんに、実際のところを聞いてみました。
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黒川あかり(29歳)※仮名
管理栄養士の資格を取得後、新卒入社した会員制のジムで3年間「ジムスタッフ兼管理栄養士」として勤務する。その後、お弁当やオードブルなど仕出し料理を提供する企業に管理栄養士として転職。献立つくりや食材管理などを担当した。

シリーズ「みんなの食場」とは
さまざまな職場の栄養士さんに聞く取材シリーズ。
人間関係・働き方・やりがいなど、中の人だけが知ってる「ホントのところ」をこっそり教えてもらいます。

人をより健康にする仕事がしたくてジムに就職 

---管理栄養士として就職するというと、病院や介護施設がメジャーなイメージがあります。学生時代、ご自身以外にジムに就職した方っていらっしゃいました?

黒川:
いえ、その当時は今よりもマイナーな進路でしたし、募集も珍しかったと思います。
私のまわりの友人もジムに就職先があることを知らない人も多くて、私もはじめは知りませんでした。

栄養指導兼任の同期も3人と少なかったですし、栄養士・管理栄養士の資格をもつ社員は全体から見ても15人程度でした。

---なぜジムスタッフとして就職したんですか?

黒川:
自分自身がスポーツをやっていたこともあり、スポーツと栄養が関わる分野に興味があったんですね。

でも、やっぱり病院や介護施設など、管理栄養士として病気の予防・改善のサポートが目的の施設で働く求人が多かったんです。それが私の中ではあまりピンとこず……。

「私がやりたいことってなんだろう?」と思ったとき、体の具合がよくない人の体調改善や病気の予防をサポートすることよりも、そのひとつ前の段階にいる人達の健康支援に興味がありました。

つまり、健康な人をより健康にする仕事がしたかったんです。だからジムに就職を決めました。

「栄養の日」が黒川さんの出番!1日最大15人の栄養カウンセリングを担当

---なるほど。実際にはどのようなお仕事をなさってんですか?

黒川:
私はあくまでジムスタッフ兼栄養指導という職種で入社したので、基本的にはジムスタッフとしての仕事が多かったです。そのことは面接のときに伝えてもらえていたので、あまり戸惑いはなかったですね。

働いていたジムは会員専用のジムでしたから、利用者さんの接客をしたり、マシンの使い方を説明したり、トレーニング方法を指導をしたりなど、運営スタッフとしての業務を任されていました。

---そうなんですね。では、どのタイミングで栄養指導を行っていたんでしょうか?

黒川:
私がいたジムでは月に3日~5日ほど「栄養の日」という期間が設けられていて、その日に栄養士・管理栄養士の資格をもつジムスタッフが利用者さんの栄養カウンセリングをしていました。

私がいた店舗では、栄養指導もできるジムスタッフは私1人だったので、「栄養の日」の業務は私の担当です。

---栄養カウンセリング以外で管理栄養士としての知識を活かす業務はありましたか?

黒川:
スタジオレッスン+栄養セミナーもあったのでレッスンの後に栄養についてのセミナーを行ったり、そのセミナー用の資料を作成したりする業務もありました。

また、自社の栄養情報誌も発行していて、会社の栄養士・管理栄養士さんたちにそれぞれ執筆やレシピ提供など、担当箇所が振り分けられていて。
レシピ提供の場合は、写真撮影なども行っていました。

---結構幅の広いお仕事を任されていたんですね。ちなみに栄養カウンセリングって、どんな感じで行っていたんですか?

黒川:
カウンセリングは希望する利用者さんのみに行うんですが、多くて1日15名ぐらいいらっしゃいました。時間は一人につき15分程度が基本でしたがが、30分ぐらい相談される方もいましたね。

「栄養の日」はジムのカレンダーなどであらかじめ告知してあるので、事前に予約している利用者さんもいらっしゃれば、「今日『栄養の日』なの?」と、当日知ってその場で栄養相談を申し込まれる方もいらっしゃいました。

---栄養カウンセリングってお互いが向き合って座って、栄養士・管理栄養士さんが「栄養アセスメント」とかバインダーを携帯して行うイメージがあるんですが……。

黒川:
いえ、そんな堅苦しい感じではなかったです!
人によって希望するカウンセリングの形が違うので、座って話したい人とは座りながらお話したり、バイクを漕ぎながら話したい人とはそばに立って会話をしたり。

会社側が決めたスタイルはなかったので、基本的には利用者さんの要望に合わせた形で相談を受けてました。

栄養アセスメントなどの事前準備も必要なく、その場その場で利用者さんのお悩みに答える形でお話します。

栄養士 ジム ①

---1日15人程度の入会者さんの対応をしなければならないって、結構大変だったんじゃ……。

黒川:
うーん、一日中栄養カウンセリングの業務が入るというよりは、タイミングを見て対応してたので、他の業務ができないことはなかったですよ。

「栄養の日」とはいえ、基本はジムスタッフとしての業務がありましたから、栄養カウンセリングはその日出勤のスタッフの人数に余裕がある時間や空いている時間に行うようにしていました。

---日によって出勤スタッフの人数が違うということは、シフト制だったんですか?

黒川:
そうです!早番、中番、遅番とあって、みんな出勤や退勤時間もバラバラなうえに、ジムって空く時間と混む時間に差があるので、人手が足りない時間帯が出てきちゃうんです。

たとえば、中番の日は11時出勤で19時退勤だったんですが、私がいたジムでは仕事帰りに寄る利用者さんが多かったので、夕方ぐらいから混み始めるんですね。

なので、夕方前の比較的空いている時間帯とか、フロアに出ているスタッフが多い時にカウンセリングを行ってました。

残業時間は月10時間程度。お休み事情は接客業ならでは

---混む時間があるとのことでしたが、残業ってどれぐらい発生してたんですか?

黒川:
残業は利用者さんとの接客時間によっては生じるときもありましたが、月10時間程度でした。

---少なめですね。じゃあ、そんなに激務というわけでは……。

黒川:
人にはよりますが、激務ではなかったですよ!

ただ、早番が6時30分出勤で、その日は開店の準備もありました。
遅番は23時退勤なので、その日は閉店作業をしてから帰るって感じですね。

とはいえ、私がいた会社は規定の労働時間が160時間って決まっていて、総労働時間が160時間に達すればOKだったので、5時間勤務などの短時間勤務の日もありました。

---なるほど。シフト制ならではの勤務時間調整ができたんですね。お休みに関してはいかがでしたか?

黒川:
お休みは週休2日制(※完全週休2日ではない)です。

シフト制なので月のお休み日数も先に決まってました。3日出勤して1日お休みとか、2日行って1日お休みというサイクルだったので、まとまったお休みはあまりなかったです。

---接客業だとどうしてもそうなりますよね。では、GWとかお盆にお休みを取るのも難しかったのでは……?

黒川:
そうですね。その時期はジムの繁忙期でもあるので、まとまったお休みは取りにくかったです。有給に関して言えば、働いていたジム全体で人手不足がネックだったので、取りやすい環境ではありませんでした。

ただ、年末年始はまとまったお休みがありましたよ。

---企業で内勤の仕事をする人と比べると、店舗の現場スタッフのお休み事情はちょっと異なるようですね。

ジム勤務には接客スキルが必須!ジムで働く管理栄養士ならではのスキルアップ方法とは?

---学生さんは就職先を決めるのに迷うと思うんですが、栄養士・管理栄養士の知識を活かしてジム・スポーツクラブで働きたい人が勉強しておくとよいことはありますか?

黒川:
一番難しかったなと思う仕事が栄養カウンセリングだったんですけど、それってなかなか大学で学ぶ機会がないんですよね。

しかも、私のいたジムでの栄養カウンセリングでは、相談された内容に対して摂るべき栄養素やおすすめのレシピを、その場で返答しなければならなかったので瞬発力も必要でした。

---よりによって一番難しい仕事なのに、学ぶ機会が少ないという。

黒川:
はい。なので、今のうちにできることあるとすれば、ジムに通ってたりスポーツをやっていたりする友達の栄養相談に乗ってみることでしょうか。

---人によって悩みも性格も体質も違いますもんね。コミュニケーション専門の授業はたしかに大学ではなかなか見かけませんし、実践を積むのが難しいのかもしれません。

黒川:
あとは、接客やお客さまとコミュニケーションを取ることに慣れておくという意味でも、接客業のバイトをしておくのもいいかなと思います。

ジムでの栄養指導もつまるところは接客業なので、お客さまとのやり取りの方法や言葉づかいを事前に学んでおくと負担は減るかもしれないです。

それと、サプリメントを飲んでる方も多いので、市販のサプリメントの知識もあるとよいと思います。利用者さんが雑誌や本で見たことを相談されることもあるので。

---就職してみて大変に感じたのは栄養カウンセリングとのことですが、黒川さんご自身はどのような方法で仕事に慣れていったんでしょうか?

黒川:
先輩や同僚とロールプレイをして、実践練習をしてました。
同じ職種の人同士ってやっぱりその職種ならではの難しいポイントが分かるので、練習相手としては助かりましたし、いい刺激にもなりました。

栄養士 ジム ②

---ほかに何かスキルアップのためにやっていたことはありますか?

黒川:
利用者さんからトレーニングに役立つ栄養摂取の方法を聞かれることが結構あったので、ジムに置いてあるトレーニング雑誌はよく読んでましたね。

あとは、管理栄養士志望でも大学に入るまできちんと料理をする機会がなかったので、料理教室に通ってました。

---それは栄養情報誌にレシピを載せる必要があったからですか?

黒川:
そうです!レパートリーを増やさなきゃいけなかったのと、写真も撮らなきゃいけないことを考えたら見た目の仕上がりもよくしなきゃと思ったので、料理教室でがんばって腕を上げました。おかげさまで、今は料理が大好きです。

---社外にも積極的に足を運んで、スキルを積み上げていったんですね。

黒川:
あとは、社内研修もありました。
管理栄養士として新卒で入社した人には決められた社内研修があり、実際に働きはじめてからも月1回、社内の栄養士・管理栄養士のミーティングがあったのですがそこで開かれる研修会・講演会などもありました。

研修会ではスポーツ栄養のことやトレーニングに関連する知識を学べて助かりました。

大学で学んだこととは違う内容もありましたが、実際の仕事にすぐに活きるような知識を得られたので、実務に直結できてよかったです。

やりがいは入会者との継続的な関係性にあり

---黒川さんがジムで働いていたとき、どんなやりがいを感じていましたか?

黒川:
やっぱり利用者さんと直接会って相談にのり、その変化を間近で見られるところです。

私が働いていたジムは「最低●ヶ月は在籍してください」という形で入会してもらっていたので、利用者さんは比較的長く通っていました。

そのため、利用者さんとは継続してサポートできる関係性ができて、長期にわたって体調や体型などに変化を感じてもらえるのもやりがいを感じてました。

そのほかにも、自分の担当した内容が掲載されている会社の栄養情報誌を持って帰って頂いたり、カウンセリングで紹介した「レシピ作ってみたよ」といってもらえたりすることも嬉しかったですね。

栄養士 ジム ③ 

---人と接するところや人のポジティブな変化が見られるところが、黒川さんにとって満足度につながっていたんですね。

黒川:
あと、最初は健康体の人をもっと健康にするサポートがしたいと思って入社しましたが、実際に働いてみると、検診や健康診断で引っかかってしまってトレーニングや栄養制限をせざるを得ず、入会される方もいらっしゃることに気づいたんです。

最初はトレーニングに積極的ではなかった利用者さんもいらっしゃったんですが、段々と体を鍛えることを楽しみを感じ始める方も多く、そういう変化を見られるのもうれしかったですね。

まとめ

黒川さんが就職した会社ではジムスタッフ兼任だったため、栄養関連の業務が中心というわけではなかったようです。

そのため、栄養に関することが中心となる仕事でスキルや知識を極めたいという方は、少し物足りなく感じてしまうかもしれません。

ただ、最近はジムスタッフの兼任ではなく、栄養士・管理栄養士を専任として採用募集している求人もあるようです。

いざ就職したときに「本当に自分がやりたかったことと違う!」と、イメージとズレてしまっては大変ですから、きちんと求人の内容を確認することが大切です。

「栄養士・管理栄養士として、ジムで●●な仕事をしたい」というビジョンがあれば、ギャップがないか、面接官に聞いてみるのもよいでしょう。

黒川さんいわく「人と接するのが好きな人にはオススメです!」というジム・スポーツクラブでのお仕事。

スポーツ栄養の分野や健康な人をより健康にする仕事に興味がある人は、ジム・スポーツクラブで働く道も検討してみてはいかがでしょうか?

取材内容はあくまで一例です。企業によって仕事内容や待遇は異なりますのでご了承ください。

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