栄養士の基礎知識

歯科で働く管理栄養士って何者?~歯科管理栄養士の取扱説明書~

皆さんこんにちは!
歯科医院で管理栄養士・トリートメントコーディネーターとして仕事をしております、前絵理と申します。

近年、歯科分野での管理栄養士の役割が注目されつつあります。
その役割はとても重要で、予防を進める上では欠かせない存在なのですが、「歯科で管理栄養士が働ける」ということ自体の認知度がまだまだ低いのが現実です。

もっと多くの管理栄養士の方が歯科医院で活躍できるようになると、健康寿命の延伸や医療費削減に繋がる……と、私は本気で思っています。
そこで、少しでも多くの方に歯科の管理栄養士の存在や役割・業務について知っていただこうと思い、この連載を始めました。

第1回目は歯科における管理栄養士の役割についてご紹介していきますね。

私が歯科を選んだ理由

現在勤務している、萱島駅前歯科クリニック

もともと大学を卒業するときに、管理栄養士として予防の道に進みたいという思いはあったものの、十数年前の当時は早期発見・早期治療という時代で、そういったニーズがまだありませんでした。
そのため、なかなか予防に目を向けた仕事が見つからなかったので、まずは食事のこと・食品に関わることを勉強しようと食品業界に就職を決めました。

その後、結婚を機に家庭と両立できるような職場を探していたところ、たまたま歯科医院の求人を見つけました。
調べてみると、予防の観点から管理栄養士が歯科で働けるとのこと。
大学卒業後からずっと予防の道へ進みたかったため、やっとその道で働ける! と歯科業界へ入ることを決めました。

歯科で働く管理栄養士の役割とは?

歯科で働く管理栄養士の役割は、歯科に来院する患者さんの健康観を高めること。
今のままで本当に健康を維持できるのか、患者さんはどんなお口や身体の理想を持っているのかなどしっかり聞き取りをし、患者さんの行動変容を促します。

口腔が全身の健康に及ぼす影響については、近年さまざまな研究がなされています。
歯の喪失と咀嚼能力の低下との因果関係や、噛めなくなることによる軟食傾向でメタボリックシンドロームを招いたり生活習慣病を引き起こしたりすること……。
また栄養の偏りや食欲低下による低栄養など口腔内の問題が、いつしか全身の健康へと大きく影響することも明らかになっています。 

全身の健康の入口である口腔。
その口腔を診ることができる歯科で、いかに患者さんの全身の負のスパイラルを止められるか・もしくは負のスパイラルに入らないようにするかが大切です。
そこで重要な役割を担うのが、歯科で働く管理栄養士だと考えています。

誰でも人は健康でいたい、そう考えていると思います。そのためには、患者さんに現状を認識してもらい、お口と身体は大きく関係していることや今後のリスクなどをしっかりお伝えすることが必要です。
患者さんが自身の口腔内に関心を持つことで口腔内の環境が良くなれば、自然と食事や生活習慣にも変化が見られます。そうすれば、全身の健康へも大きく貢献できます。

歯科における管理栄養士の業務

カウンセリングの風景

現在の仕事の業務としては、アシスト業務(一般・矯正)、患者さんへのカウンセリング、パーソナル健康サポート、小児のデンタルサポート業務、受付業務、スタッフ教育、管理栄養士の育成など多岐に渡ります。
カウンセリングだけでなく、アシスト業務を通じて患者さんの治療の進捗状況を把握しておくことも大切です。チェアーサイドで少しお話しをしたり、コミュニケーションを取ったりすることも多々あります。

予防歯科の分野では、治療の繰り返しをいかに止めていくか? どうすれば患者さんの口腔内の健康を維持できるか? を考え、治療を進めます。
治療の繰り返しを止めるために、治療前に詳しい検査を実施することがほとんどです。その中に、管理栄養士による食事や生活習慣の聞き取りも含まれます。

食事や生活習慣は、一見すると口腔や主訴と関係なさそうですが、実は虫歯や歯周病のリスクと大きく関係してきます。
そのため患者さんにアンケートを記入してもらい、その内容を元に管理栄養士がカウンセリングをします。

予防分野で活躍したいなら歯科の道へ!

カウンセリングでは、患者さんへ検査結果を元に現状を伝え、今のお口の状態を認識してもらいます。
そして食生活・生活習慣の聞き取り内容から、今後予防していくために必要なプログラムを提案していきます。

お口の状態、全身の状態、食生活、生活習慣……誰ひとり同じ方はいらっしゃらないため、パーソナルに対応していくことの難しさはあります。
しかし、歯科で働く管理栄養士がこの役割を担えるようになると、予防歯科の役割や価値は大きく変わると感じています。

病院や施設、給食の現場やスポーツの分野など……今は管理栄養士の活躍できるフィールドが増えています。
そんな中で、歯科医療という分野での管理栄養士の存在はまだまだ認知されていないのが現状です。
今後の健康寿命の延伸のためにも、歯科で活躍する管理栄養士がもっともっと増えることを期待しています。

第二回以降は「歯科管理栄養士がどのように働いているのか」「どうすれば活躍できるのか」など、これまでの苦労などもあわせて具体的にお伝えしていきたいと考えています。

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ABOUT ME
前絵理
前絵理
管理栄養士兼トリートメントコーディネーター。食品業界で約13年勤務し、あらゆる角度から食について勉強したのち、歯科業界へ入る。現在は「歯科に来院される患者様の健康観を高める」ために、患者様1人1人に合わせた健康サポートを実施。Instagramでtc.dental_recipeとしてさまざまなレシピを配信中♪