栄養士の職種・職場

スポーツ栄養分野で働く栄養士・管理栄養士のお仕事とは?

近年、スポーツにおける栄養学の重要性が広まってきています。
プロアスリートはもちろん、プロを目指すジュニアアスリートやアマチュアアスリート、スポーツを行う一般の方にさえも、スポーツにおける栄養の知識や重要性が広く認知されるようになりました。

それに伴い、栄養の専門家である栄養士が活躍する場もどんどん増えています。さらに、平成20年度から「公認スポーツ栄養士」の認証制度もはじまり、よりスポーツに特化した専門的知識や経験を持つ管理栄養士が誕生してきました。

そこで、この記事では「スポーツ栄養」の分野で働く栄養士/管理栄養士の仕事について紹介します。

●スポーツ栄養の専門資格「スポーツ栄養士」については、以下の記事も参考にして下さい。

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スポーツ栄養分野での栄養士・管理栄養士の役割とは

スポーツ栄養分野での栄養士/管理栄養士の役割は、プロのアスリートや一般のスポーツ愛好家に対して、栄養管理や食事のアドバイスを行うことです。
スポーツ栄養学の知識をもって、それぞれの競技内容や体格、年齢、体調などに合わせた栄養面のサポートを行うことで、パフォーマンス向上やコンディションの維持などを支えます。さらに、適切な栄養管理によって、スポーツを安全に長く続けられるようにすることで、健康づくりや健康問題の解決に貢献する役割も担います。

スポーツ栄養分野での仕事内容とは


スポーツ栄養分野における栄養士/管理栄養士の仕事内容について説明します。

どんな人を対象にするのか

プロアスリートをはじめ、一般のスポーツ愛好家やスポーツをするジュニアアスリートと保護者を対象に、身体づくりや健康増進、けが予防に繋がる食事のとり方などのアドバイスや講義、レシピ作成をします。

どんな仕事・職場があるのか

スポーツ分野の栄養士といっても、その職場などによって仕事の内容は変わります。ここでは代表的なスポーツ分野の栄養士の仕事と施設を紹介します。

●アスリートを支える栄養士として

プロアスリートを支えるための具体的な仕事は、スポーツチームの施設や遠征先で提供する食事メニューの作成と栄養サポート、選手個人の栄養状態のチェックや栄養カウンセリング、体調管理の相談などがあります。選手自身が食事の自己管理をできるように、栄養セミナーや講義で栄養教育を行うこともあります。

●フィットネスジムの栄養士として

スポーツ愛好家が多く利用するフィットネス施設(ジム)では、インストラクターとして勤務しながら、栄養士/管理栄養士としての業務を行います。お客様に栄養カウンセリングを行い、運動と食事を組み合わせたダイエットプログラムを立てたり、栄養セミナーや個別の栄養相談も行います。

●ジュニアアスリートを支える栄養士として

ジュニアアスリートに関わる仕事としては、ジュニアスポーツチームに栄養指導を行ったり、食事の個別指導をしたりと、スポーツの成績だけではなく、健全な成長を支える食事を摂れるように、保護者や指導者と共に栄養教育を行います。

おもな職場は、スポーツチームや実業団などのプロチームや、研究教育機関(大学・短大・専門学校、ジュニアスポーツクラブ、高校・大学の部活動などのジュニアスポーツ関係、フィットネス施設やパーソナルトレーニングジム、病院などがあります。フリーランスとなって、トップアスリートの専属の栄養士として活躍する場合もあります。

どんな人と働くのか

スポーツを行う選手本人はもちろん、プロスポーツ選手であればまわりのスポーツドクターや監督、コーチ、トレーナー、理学療法士、薬剤師、フィットネスインストラクターなどと連携し、栄養面からの専門的なサポートを行います。
さらに、スポンサー企業などとも協業し、栄養補助食品の摂取などもアドバイスすることがあります。

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スポーツ栄養分野で働くためのスキルや専門性とは

スポーツ栄養分野で働くためには、基本的な栄養に関する知識に加えて、スポーツ栄養に特化した知識が必要です。さらに、スポーツ競技への理解や、選手の精神面を理解して支える能力も求められます。
スポーツ栄養学の基礎から応用まで幅広い知識を持ちながら、運動生理学やスポーツ心理学など健康スポーツ科学の専門知識と、カウンセリングやコーチングのスキルも必要になります。

スポーツ栄養分野で働くためのスキルや専門性を身に付けるためには、日本栄養士会と日本体育協会が共同で認定している「公認スポーツ栄養士」の資格取得を目指して、勉強をしておくといいでしょう。
また、スポーツチームやクラブ内では、チーム医療のように、スポーツに関わる各専門分野のスタッフと連携して、選手のサポートを行うため、多くの人と円滑なコミュニケーションをとれる能力が必須です。
スポーツ栄養の知識や技術とともに、スポーツの経験があったり、スポーツが好きであること、スポーツ選手やスポーツ愛好家を応援したいという熱い気持ちを持っていることも大切な要素です。

スポーツ栄養分野で働くやりがいとは?

スポーツ栄養分野で働く栄養士/管理栄養士は、競技力向上を目指すアスリートや、体力の維持、健康増進を目指すスポーツ愛好家など、さまざまな人を食でサポートする仕事です。
栄養管理に関わっているチームや個人が好成績を納めたり、選手から「食事のおかげで全力を出して闘えたよ」と感謝の言葉をかけられたりするときは、大きなやりがいを感じられる瞬間です。
また、スポーツ愛好家やジュニアの選手に、栄養や食習慣のアドバイスを行うことで、運動を楽しみながら、心身ともに健康を保ち、豊かに成長する姿を見られるのは、仕事を続ける喜びになるでしょう。

2021年に開催される東京オリンピックに向けて、スポーツへの関心や期待はますます高まっていきます。その流れに乗って、スポーツ栄養分野の栄養士/管理栄養士が活躍する機会が増える可能性があります。

スポーツ栄養に興味がある方や、スポーツ選手を食で支える仕事をしたい方、スポーツ栄養を通じて健康づくりに貢献したい方は、スポーツ栄養分野への就職や転職を検討してみてはいかがでしょうか?

参考文献・サイト

  • 公益社団法人 日本栄養士会」(2018/08/25)
  • JSNA – NPO法人日本スポーツ栄養学会(2018/08/25)
  • 京都栄養医療専門学校(2018/08/25)
  • 栄養士の就職・転職なら「栄養士のお仕事」におまかせ!

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    ABOUT ME
    山田 由紀子(管理栄養士)
    短大卒業後、栄養士として給食会社や病院で勤務しながら、管理栄養士免許を取得。結婚出産を経て、フリーランスに転向し、特定保健指導などの栄養指導業務を中心に活動。現在は、栄養関連記事の執筆、レシピ作成、栄養監修を専門に、在宅で仕事をしている。管理栄養士の資格を活かして、生涯現役で仕事を続けるのが目標。