栄養士の職種・職場

障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士のお仕事とは?

障害者施設_栄養士の働く分野

栄養士や管理栄養士が活躍できる福祉関係の施設には、おおまかに「障がい者施設」関連と「老人ホーム」関連の2種類があります。

障がい者施設や老人ホーム施設で働く人というと、一般的には生活支援員や介護職員をメインに思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、実は栄養士・管理栄養士も障害者施設で大きな役割を担っているのです。

今回は「障がい者施設」で働く栄養士・管理栄養士について紹介します。

障がい者施設で働く栄養士の役割

障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士の役割は、障がいを抱える利用者が快適な日常生活を送り、健康維持をはかるために必要な栄養管理を担うことです。

これまで、障がい者が暮らすグループホームやケアホームにおける栄養管理や食事提供は、世話人や入居者に一任されていました。
しかし「日本栄養士会」は、障がい者の健康維持のためには専門的な栄養管理を行う必要があると検討。平成23年に全国のグループホーム248施設の入居者・世話人を対象に、食生活・栄養支援のニーズに関する調査を行いました。

その結果、栄養士・管理栄養士には生活習慣病の一次予防・早期改善をはかる栄養マネジメントを行う役割が期待されるようになり、同時に障がい者の栄養を支援するサービス体制を敷くことも求められるようになったのです。

どんなところで活躍できる?

障がい者施設といっても、その内容はさまざま。
栄養士・管理栄養士がどのような場所で活躍できるのか、具体的に見てみましょう。

  • グループホーム
  • ケアホーム
  • 知的障がい者更生施設
  • 知的障がい者授産施設
  • 救護施設
  • 身体障がい者施設
  • 障がい者福祉施設
  • 重症心身障がい児施設

主な仕事内容は?

障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士の主な仕事は、利用者の健康状態や特性に合わせて、「栄養ケア計画」や「栄養アセスメント」を作成することです。

栄養ケア計画

障がい者施設のサービス管理責任者は個別支援計画をもとに、利用者一人ひとりが自己実現を達成できるようなケアプランを作成します。
この個別支援計画を応用した「栄養ケア計画」の立案が、障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士にとっての重要な業務です。

「栄養ケア計画」を考えたり献立を作成したりすることは、一般的な栄養士・管理栄養士の仕事として珍しくはありません。
しかし障がい者施設における栄養ケア管理は個別支援計画に紐づいているため、「栄養ケア計画」はさまざまな職種のスタッフと連携しながら作成することになります。

施設の運営・管理を取り仕切るサービス管理責任者や生活支援員はもちろん、看護職員、作業療法士、介護職員などとの連携が必要な場面も。
時には咀しゃくや嚥下上の課題を一緒に解決する観点から、医師と協働することもあります。
多くの職種のスタッフと一緒に働けることが、障がい者施設で働く大きな特徴と言えるでしょう。

栄養アセスメント

栄養アセスメントは、咀しゃくや嚥下(えんげ)障がい、体重変化、疾病など……利用者の食行動や食生活をベースに作成されます。
また「お菓子作り」や「食事作り」といったプログラムを実施することで、利用者が生活にハリを感じられるような活動を提供することもあります。

調理の工程で普段あまり交流のない利用者同士が助け合ったり、会話をしたり、できあがった料理を一緒に食べたり……。
準備から実際の調理までを行うお菓子作りや食事作りは、自立を目標とする利用者が喜びや達成感を感じられるプログラムとして人気があるようです。

障がい者施設で働くやりがい

老健_管理栄養士_インタビュー_04

栄養士・管理栄養士が障がい者施設で働くやりがいは、「利用者のQOLが上がった」「利用者が喜んでくれた」ことを間近に感じられることです。

障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士は、利用者とその家族から生活上の意向や食事上の課題をヒアリングした上で、利用者の生活習慣や特性を鑑みた栄養指導を行う役割があります。
たとえば咀しゃくに課題のある利用者にはそれに合わせた食事を提供したり、料理に応じた使いやすいカトラリーを提案したり……。利用者の課題に寄り添った栄養指導や食事指導を行うのが主な仕事。
そのとき自分が提案した栄養ケア指導が利用者に喜んでもらえたり、実際に食事の環境が改善されたりすることで、達成感を得られるのではないでしょうか。

障がい者施設で働く栄養士の給与・待遇

障がい者施設で栄養士・管理栄養士として勤務するには、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト(パート)など、複数の雇用形態があります。
雇用形態や施設の特色によって給与や待遇は異なりますが、ここでは栄養士専門の転職支援サイト「栄養士のお仕事」の求人情報を参考に、一例をご紹介しましょう。

正社員

正社員の場合、月給20万円前後の求人が多く見られました。賞与・昇給・退職金制度を設けている施設も多いです。

待遇面では社会保険完備や交通費支給制度が設けられています。
資格手当や住宅手当、家族手当などの手当があったり、処遇改善加算を取り入れていたりする求人もあります。定年制適用の募集も多いようですね。

契約社員

契約社員に関しても、月給15万~20万円前後の求人が目立ちます。昇給や賞与が望める募集がありました。
早朝手当、残業手当、休日出勤手当など、一般的に正社員が支給されるような手当ももらえる職場もあります。

待遇面に関しても社会保険完備や交通費支給制度を採用している求人がほとんど。
職場によっては食事補助や研修制度、正社員登用制度を設けているようです。

派遣・アルバイト・パート

派遣やアルバイト・パートの場合、給与の情報は時給や日給で掲載されている場合が多いです。
時給750円~1300円前後を目安と考えておくとよいでしょう。

待遇面に関しては、マイカー通勤OKのところや交通費支給などの職場があります。
社会保険完備や定年制、昇給、寸志程度の賞与が支給される求人もありました。

各雇用形態によって条件は異なります。
自分に合った雇用形態を選ぶためにも、給与・休み・待遇の3つはよくチェックしてみてくださいね。

※上記の情報は2020年6月時点での掲載情報より作成しており、就職・転職での条件を保障するものではありません。ご了承下さい。

障がい者施設で働くスキルを身につけるには?

障がい者施設で働く栄養士・管理栄養士に求められるのは、「適切かつ正しい知識に裏付けられた栄養マネジメントを実施できる」能力です。

栄養士・管理栄養士への研修を多数実施している「日本栄養士会」では、研修体制を構築することで栄養士・管理栄養士のスキルアップを推進しています。
研修体制を整備することで栄養マネジメントのプロフェッショナルを生み出し、障がい者のQOLを上昇させることがねらいです。

専門性の高いスキル・知識を身につけるためには、栄養ケア・マネジメント研修への参加がおすすめです。

編集者より

栄養士・管理栄養士の活躍の場は多種多様ですが、中でも「人の役に立つことにやりがいを感じられる方」は障がい者施設で働くのに向いています。
専門性の高い知識・スキルを身につけ、障がいを持った方の生活を食の分野から支援する……ご自身のキャリア設計をする上で、選択肢のひとつにしてみてはいかがでしょうか。

参考文献・サイト

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