栄養士の職種・職場

スポーツ栄養士になりたい栄養士さんへ!スポーツ栄養士の仕事を自分で見つける方法

こんにちは! 管理栄養士ライターの「kannna」と申します。
私は、企業で管理栄養士として特定保険指導を行いながら、小~高校生のサッカーチームなどでスポーツ栄養士として栄養指導やセミナーなどを行っています

今でこそプロスポーツ選手専属の栄養士がいるなど知名度も高まり、「スポーツ栄養士になりたい!」と志す方も多く、スポーツ栄養士という存在が一般的に認知され始めていると思います。

ですが、「スポーツ栄養士」はまだまだ栄養士の仕事として確立されていません。勉強や仕事の見つけ方など、自分で見つけていかないとならないこともたくさんあります。

そこで、私がスポーツ栄養士になるきっかけや仕事を始めるまで、またスポーツ栄養士として必要なことなど経験をもとにみなさんにお伝えしたいと思います。

スポーツ栄養士を目指したきっかけ

そもそも私がスポーツ栄養士になりたいと考えたきっかけは、あるサッカーのジュニアチームの試合を観戦したことでした。

試合を観戦していると、選手の保護者の方々から耳を疑うような会話が聞こえてきました。

保護者
保護者
「お弁当作ってもいつもそのまま綺麗に残して帰ってくるよね」
「今日も食べる時間なかったみたいよ」
「朝ごはんしか食べてないのによく走れるよね。心配だわ」

それはひとつのチームの話ではなく、いくつものチームに関わる話のようでした。

成長期という大切な時期を生きているジュニアの選手達が、朝ごはん以降、栄養補給をせずに数試合も走り続けている。そのようなトレーニングを続けていれば、今後の成長に影響が出る可能性が高いのです。

ジュニア・アマチュアチームにも栄養士が必要!

ひとりの管理栄養士として私は、

スポーツにおける食事の重要性が認知されている時代でも、コーチや保護者に正しい知識が届いておらず、実際の現場では栄養学があまり活用できていないのか

と衝撃を受けました。
さらに、この現状をひとりの管理栄養士として放っておくことはできない、そう思いました。

ジュニア・アマチュアチームにとって、栄養士は近い存在ではありません。「栄養士が身近にいない」「栄養士が何をしているのか分からない」「そもそも相談できるということを知らない」など背景は様々ですが、現状を考えるとジュニア・アマチュアチームにも栄養士が必要であると言わざるを得ません。

そこで、栄養士という存在を示し、指導者、保護者、選手が気軽に相談できるような環境を作っていきたいと考え、スポーツ栄養士として活動することを決意しました。

検索してもわからない! 自ら見つけたスポーツ栄養のお仕事


知名度のある管理栄養士であれば、チームから直接依頼を頂けるのかもしれません。
しかし、私はスポーツ関係の仕事をしていた訳でもなく、どこかのチームと繋がりがあった訳でもありません。
スポーツ栄養士になるにはどうすれば良いのか、インターネットで何度も検索しましたが、ピンとくるような情報はヒットしません。求人サイトを検索しても、スポーツ栄養士の仕事はほとんど見つかりません。

地元のチームに突撃! アマチュアチームでもニーズはある

そこで私は、チームに直接コンタクトを取る営業活動を始めました。もちろんすべてがお仕事に繋がることばかりではありません。トライアンドエラーの繰り返しです。

まずは、私の住んでいる地元の近くで活動しているアマチュアのサッカーチームを検索して、ホームページを見つけたらその連絡先にメールをしました。
メールを送るときにはとても緊張して、怖かったです。
ジュニア・アマチュアのスポーツチームにも栄養士が必要なこと」「私がチームに貢献できること」などを書いて、いくつかのチームに送信すると、「やりたいと思っていました!」や「こんなことで悩んでいます」と嬉しい反応が返ってきました!

その後、定期的に栄養相談やセミナーを開催することになり、その他にも単発で保護者・コーチ向けのセミナーなども開催しています。
選手の食事について悩んでいるチームは少なくないため、やはり潜在的なニーズはあるのではないでしょうか。

スポーツ栄養士としての主な仕事

栄養指導は、選手、指導者(コーチ・監督)、保護者などチーム全体の協力が必要です。

選手の場合は、希望する選手個人に毎日の食事を撮影してもらい、「体が大きくならない」「疲れが取れない」などの個別の悩みに沿って栄養指導を行います。

指導者の方々には、練習を見に行った際に話を聞くことが多いです。そこで練習を一緒に見ながら、各選手のコンディションや悩みを聞き、それに対する食事面でのアドバイスなどを行っています。

また、個別の栄養指導ではなく、みなさんに集まってもらって選手向けのセミナー、指導者・保護者向けのセミナーも行います。
普段の練習から試合前後に最適な食材や食事のメニュー、さらにそのメニューの組み立て方などが主な内容で、セミナーで使う資料も作成しています。

みんな栄養指導・セミナーで変わっていく

セミナー後に目に見えて変わっていくのが、ジュニア選手達の毎日の食事を支える「保護者」の皆さんです。
ジュニアの保護者の方々が食に興味を持ち、どんどん私に質問が増え、アドバイスのために送ってもらう食事の写真がみるみる栄養的に良い食事に変わるので、私も嬉しくなり指導にもやりがいが出てきます。

また、ジュニアチームでの栄養士指導・セミナー以外に、個人のアマチュアランナーの方の栄養指導も行っています(こちらも口コミで紹介してもらいました!)。

その方の目標は、「体重を落として、マラソンのタイムを縮めること」。
そのために私も様々な栄養指導をしました。最初は「本当に栄養指導でパフォーマンスが変わるの?」と不信感を持たれていましたが、コミュニケーションをしていくうちに信頼してもらえるように。
栄養指導を続けていくうちに徐々に体重が落ち、さらにある大会で目標の好タイムを出せたときには、私も嬉しくなりました!

一般にも栄養の知識が浸透した今、スポーツ栄養士に必要なスキルとは?


食事がトレーニングの一部であるという考え方は、もはや当たり前になりつつあるのではないでしょうか。スポーツ栄養に関する書籍も多数出版され、様々な民間資格も存在しています。
指導者、保護者、選手ともに詳しく勉強されている方が非常に多く、栄養士も顔負けの知識をお持ちの方もいらっしゃいます。その中で、スポーツ栄養士として仕事をするために必要なスキルは何だろう、と考えさせられます。

私は、「①選手の個別対応への想像力」と「②管理栄養士としての基礎知識」が
スポーツ栄養士に必要なスキルであり、独自性だと感じています。

①選手の個別対応への想像力

例えば、食が細くて必要な量を食べられない、さらに学校では補食を摂ることが認められていない、塾にも通っていて夕食の時間も遅くなる、といった選手のケース。
どうすればエネルギーを確保できるのか、怪我を防ぐことができるのか、パフォーマンスを上げることができるのか、あらゆる想像力の引き出しを開けて解決策を練っていきます。たくさんの引き出し、つまり柔軟なアイデアがあると良いですね。この辺りは栄養指導や特定保健指導と重なる部分があるかもしれません。

②栄養士としての基礎知識

いくらスポーツ栄養の知識が手に入るとはいえ、まだまだ情報は玉石混交。その中でも正しい情報なのかを判断するには、栄養学を専門的に学んだ栄養士の知識が前提として必要になります。

根拠だけではダメ!現場からできることを提案

根拠ある最新の知識はもちろん大切ですが、理論を押し付けるだけでは「ダメ出しばかりする嫌な人」で終わってしまいます。
上記のスキルで言えば、①と②のバランスも必要になります。

ジュニアであれば校則や家庭の経済状況、生活スタイルなど一人ひとり違った背景があります。
例えば、

あるジュニア選手が栄養不足でパフォーマンスが出ていない。そんなときに、プロテインバーを補助食として学校に持っていってもらうことを提案しても、実際は校則でお弁当以外の食事の持ち込みが禁止されていた

なんてことも多くあります。

実際の試合や練習を見学して初めて気づくこともたくさんあります。監督やコーチとの会話から、チームの方針が見えてくることもあります。現場に足を運び、現状を受け止め、実現可能な選択肢を提案できることが大切だと感じています。

また、スポーツの現場では結果が求められるため、サプリメントの使用については柔軟な対応が必要だと考えています。栄養士本位にならず、時にはチームや個人の考えを尊重しています。

スポーツ栄養学はどこで勉強できる?


スポーツ栄養の世界は、「試合/大会のあるいついつまでに結果を出さなければならない」というシビアな世界であり、栄養士の学校・大学では詳しく習うことの少ない運動生理学の知識も必要です。
スポーツ栄養学という分野も日々発展しているため、自ら積極的に積極的に勉強をして新しい情報にも常に触れていなくてはなりません。

栄養士会の研修や学会の広報誌も情報源

私の場合、日本栄養士会や都道府県栄養士会の研修会、公認スポーツ栄養士の先生が主催される研修会に参加することが多いです。学会にも入会しているため、広報誌に掲載される文献も勉強になります。

新しい考え方やスポーツ選手が出版される本なども読みますが、エビデンスが十分でないものは注意が必要です。責任を持って情報をお伝えするために、文献や本の著者、セミナーの登壇者は確認するようにしています。

また、初めてセミナーを開催した時は公認スポーツ栄養士の先生に相談をさせて頂きました。先生とは元来知り合いであった訳ではありません。スポーツ栄養士になりたいと思った時に、私からコンタクトを取らせて頂きました。お会いできたことに本当に感謝しています。

まとめ

ここまで、私の経験をもとに紹介してきました。
これも、あくまで「私の場合はこうだった」という話になってしまいますが、スポーツ栄養士として仕事を得るために重要なのは専門職としての知識に加えて、「自分を売り込むスキル」だと思います。
自分でメールや電話をして自分が何ができるか説明し、栄養士の必要性を認めて仕事をもらう。栄養士として学校で習うことのないスキルですが、身につけると活躍の場は大きく広がると思います。

本気でスポーツ栄養士を目指す方は、私のように自ら仕事を作るというのもひとつの方法ではないでしょうか。待っているだけでチャンスに巡り合える方はごく稀です。積極的に動き、前に出ることで道が開けると、私は信じています。共に頑張りましょう!

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ABOUT ME
kanna
kanna
管理栄養士。特定保健指導やジュニアアスリートの食事指導を含め、これまでに400名以上の食事サポートを経験。『若い世代にも身近な管理栄養士』を目指し、料理教室の主催やwebマガジンでのレシピ掲載などの活動をしている。