栄養士の職種・職場

病院での管理栄養士のお仕事とは?具体的な仕事内容や待遇など

「病院で働く管理栄養士になりたい」と考え、管理栄養士を目指された方も多いのではないでしょうか。

しかし、日々どのような仕事をしているか、給与や休日などの待遇面の実情など、具体的なイメージが付きにくいところもあるかと思います。
ここでは、病院での管理栄養士の仕事内容や、気になる待遇面、更には採用されるためのポイントをご紹介していきます。

●『栄養士のお仕事Magazine』では、実際に病院で働く栄養士・管理栄養士さんにインタビューしています(↓の記事をチェック!)。

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管理栄養士の病院での役割

なぜ病院で管理栄養士が必要なの?

なぜ病院に管理栄養士が必要なのでしょうか?
それは、病院食で食中毒を起こさないための衛生管理、患者さんに合った栄養指導など、管理栄養士にしかできない必要不可欠な業務があるからです。患者さんが安全にかつ美味しく健康的に食事をとり、栄養管理ができるように、管理栄養士は病院で色々な業務を行う必要があります。

各種の法律でも管理栄養士の設置義務が規定されています。

医療法

医療法では、病床数100以上の一般病院には栄養士が1名以上、特定機能病院には管理栄養士を1名以上置かなければならないことが定められています。
参考:厚生労働省:医療法に基づく人員配置標準について

健康増進法

健康増進法では、「特定給食施設であって特別の栄養管理が必要なものとして厚生労働省令で定めるところにより都道府県知事が指定するものの設置者は、当該特定給食施設に管理栄養士を置かなければならない」と定められています。
参考:健康増進法

    例)東京都が指定する管理栄養士を置かなければならない特定求職施設(病院が該当するもののみ)
  1. 病院又は介護老人保健施設に設置される特定給食施設であって、1回300食以上又は1日750食以上の食事を供給するもの
  2. 許可病床数300床以上の病院または入所定員300人以上の介護老人保健施設に設置される特定給食施設

参考:東京都福祉保健局

このように、医学的な栄養管理が必要な施設や、大量調理を要する施設で管理栄養士の設置義務が定められています

どんな仕事の種類があるの?

病院での仕事は、大きく分けると「給食部門」と「臨床部門」の2つに分かれます。

給食部門 臨床部門
献立作成(一般食、治療食) 栄養管理計画書の作成
発注・調理・食札作成・行事食準備 栄養指導(外来、入院)
発注業者や加工食品などの選定 NST委員会や回診
食事アンケートの実施 生活習慣病教室の開催
帳票類作成・給食委員会の運営など 摂食嚥下機能評価など

給食部門

給食部門は、直接運営している直営給食と、委託給食会社が代わりに運営している委託給食で、業務内容が大きく変わります。

委託会社が委託する仕事内容は、献立作成から調理まで全てを委託する全面委託と、調理の一部のみ等を委託する部分委託の2パターンがあり、どこまでの業務を委託するかはその病院により異なります。

また管理栄養士と栄養士、調理師の人数比により、仕事内容に変化があります。

基本的には「院内約束食事箋」という各病院で決められた食事の種類や栄養素の基準に基づいて、献立作成・発注・調理を行います。

また日々の入院・退院により、食事の数や種類が変更されるため、食札を整理することも大きな仕事です。

他には定期的な食事アンケートの実施や、行事食を取り入れることによって、入院患者さんに満足され楽しんでもらえるような給食を目指します。

臨床部門

臨床部門では、入院している患者さんの栄養状態を判定・計画する栄養管理計画書や、入院および外来の栄養指導など、病棟での業務が主になります。

また医師や看護師、言語聴覚士などの他職種との連携や、患者さんとの対話や聞き取りにより栄養業務を行います。

どんな人と一緒に仕事をするの?NSTって何?

給食業務では、他の栄養士や調理師、調理スタッフもしくは委託会社のスタッフとともに業務を行っていきます。

臨床業務では、様々な医療従事者と連携して業務を行います。

最近では「NST(栄養サポートチーム:Nutrition Support Team)」というチーム医療を行う病院が増えてきました。
NSTは、術後の患者さんや低栄養の患者さん等の栄養状態の改善を図るべく、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などのスタッフと連携して色々な角度から治療のアプローチを図る方法です。
例えば、嚥下障害のある患者さんがどの位の食事を摂取できるかを評価するために、医師や看護師、言語聴覚士とともに摂食嚥下機能評価のテストを行います。

病院で働く管理栄養士、給与・休みなどの待遇は?

給与

月給

厚生労働省による、病院の管理栄養士のみの給与データはありません。
他の職場とくらべて病院で働く管理栄養士の給料がとりわけ高いということはなく、管理栄養士の平均給与に近いようです。
 
管理栄養士・栄養士の平均月収は、以下のように企業規模が大きいほど高くなっています。

企業規模 10~99人 100~999人 1000人以上
平均月収 22.2万円 23.9万円 25.5万円

参考:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」

これは病院の管理栄養士でも同じで、入院患者数や外来患者数の多い病院の方が、一般的には月収が高い傾向にあります。
しかし小さな規模のクリニックでも、専門的な経験や管理栄養士にプラスして特別な資格を求められるところは、給与が高くなる場合があります。

昇給

昇給額は病院によって様々です。「1年で5000円」のような固定額昇給や、「基本給の1%」というように割合が決まっている場合などがあります。
また、「栄養科長」のような役職につくと、一気に昇給することもあります。

ボーナス

1年当たりのボーナスは、各種手当てを除いた月収の2.5か月分程度が平均的な額と言われています。
夏の賞与で1か月分、冬の賞与で1.5か月分支給する病院が多いでしょう。
しかし賞与自体が支給されない病院や、勤続年数によって支給される額が異なるため、病院の就業規則を確認してみましょう。

休み・残業

委託給食形式や、管理栄養士の仕事に給食業務が含まれていない病院では、土日休みが多い傾向があります。一方で直営の病院ではシフト勤務のところが多いです。

一般的に年間休日は月8~9日を基準として、年間110日前後の場合が多いです。

給食業務で忙しく臨床業務が行えなかったり、発表の準備や棚卸しをしなければならなかったり、その時々に応じて残業が必要なことがあります。最近は残業時間に厳しく、「残業は○時間以内に収める」という方針を打ち出している病院もあります。

福利厚生

院内保育のある病院の場合、小さなお子様がいる管理栄養士の方でも働きやすい可能性があります。ただ看護師のみ入園可能という場合があるので、栄養士も利用可能か確認しましょう。

また院内旅行や各種交流会、特別休暇として誕生日休暇のある病院などもあります。

その他の特徴

Good Point!

  • マイカー通勤できるところが多い
  • 調理業務が少ないところが多い
  • Bad Point…

  • シフト勤務の場合、早番や遅番があり不規則な勤務体系になる
  • 病院は365日稼動しているため、まとまった休みを取りにくい場合も
  • どうすれば採用されるの?

    スキル・経験

    中途採用の場合は、即戦力を求められることが多く、大量調理の経験や、栄養指導を行った経験があると採用されやすい傾向にあります。

    新卒の場合はスキルに大差がないので、人間性がより重視されます。

    新卒と中途の割合

    新卒と中途の採用割合は、病院の方針によって大きく異なります。
    例えば新しくオープンした病院や即戦力を必要としている病院では中途採用が多め。
    教育制度が整っているところや管理栄養士の人数が多い病院、管理栄養士も給食業務を担当する病院では新卒採用が多いでしょう。

    新卒採用の場合は年末から2月位までに募集し、中途採用は欠員があれば随時補充をしています。

    採用試験の内容

    採用試験は面接のみが一般的ですが、小論文や専門試験が課されることもあります。
    面接は1人ずつ行われる場合と、募集人数が多いとグループ面接になる場合があるので、どちらになっても構わないように、心積もりをしておきましょう。

    採用面接で聞かれること

    面接で必ずといっていいほど聞かれる質問は、「何故ここで働きたいのか」です。
    数多くある病院の中でも、何故ここの病院で働きたいのか、そこの病院の特徴を交えながら、自分の言葉で話すことが出来るといいですね。

    また自己PR(仕事を働く上で心がけていることや自分の長所など)をまとめておくと、色々な質問に応用が効くため、自己分析をしっかりと行っておきましょう。

    面接でよく聞かれる質問集

    食を通して患者さんを助けられることがやりがい!

    病院では食欲のない方、食事を上手く食べられない方、食事制限のある方など、食事の悩みを抱えた様々な患者さんがいらっしゃいます。そのような方に寄り添って、悩みを共有し、食事や栄養相談を通して患者さんを助けることが、病院で働く大きなやりがいです。

    また病院で働くことで医療分野において管理栄養士としてスキルアップする機会になります。医療分野でやりがいのある仕事にチャレンジしたいと思っている方は是非病院勤務を検討してみてくださいね。

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    参考文献・サイト

  • 電子政府の総合窓口イーガブ(2017年11月5日)
  • 厚生労働省(2017年11月5日)
  • 東京都福祉保健局(2017年11月5日)
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