栄養士/管理栄養士の知識を、地域社会や地域住民に貢献することで役立てたい人は、行政機関で働く「行政栄養士」が向いているかもしれません。
地域住民との交流を深め、食と栄養の力で地域の健康づくりを推進するのが、行政栄養士に任される職務です。
それでは、具体的にどのような仕事を行っているのでしょうか。
職場・必要なスキル・やりがいなど、行政栄養士の仕事に関連するトピックを解説します。
目次
行政機関で働く栄養士/管理栄養士の役割
行政機関で働く栄養士/管理栄養士を、「行政栄養士」と呼びます。
行政栄養士の役割は、都道府県や市町村などの地方自治体、または、保健所や保健センターなどに公務員として勤務し、地域住民の健康増進に貢献することです。
具体的には、住民が抱える健康問題の解決に向け、都道府県や市町村の健康政策の企画・立案が期待されています。
健康教育や栄養相談、食環境整備などを行うことで、健康寿命の延伸や健康格差の縮小に向けて貢献するのも行政栄養士の重要な役目です。
また、特定健診や特定保健指導の実施率を上げるという健康政策を実行し、生活習慣病の発症予防や重症化予防を促進する必要もあります。
その背景には、医療費の適正化や持続可能な地域社会づくりがあります。
災害時の支援も行政栄養士のつとめ
近年、地震や水害が頻発しているニュースが多く報道されていますが、行政栄養士は災害時にも活躍する役割があります。
災害に備えた非常食の準備や長期化する被災状況に対応した栄養バランスの確保、高齢者や疾病による食事制限者、食物アレルギー児など、特別な支援が必要な人に対する配慮と
支援を行います。
非常時においても住民の健康を守る役割を担う存在が、行政栄養士なのです。
行政栄養士の仕事は地域と連携して行う
行政栄養士は、地域に住むすべての住民が仕事の対象になります。
乳幼児から高齢者まで、それぞれのライフステージに合わせた健康づくりをサポートするのが主な仕事です。
行政栄養士の仕事内容・職場
行政栄養士の仕事は多岐に渡りますが、代表的な業務内容としては、以下のようなものがあります。
- 行政栄養士の仕事内容
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□ 地域住民への栄養指導や栄養相談(特定保健指導、乳幼児検診時の個別栄養相談など)
□ 食生活改善や栄養教育のための講習会を実施(生活習慣病予防講習会、離乳食講習会など)
□ 食と健康に関するイベントの開催(医師や健康運動指導士などと共に介護予防イベントなど)
□ 訪問栄養指導(要介護者や子育て家庭に訪問し、食生活や献立づくりのアドバイスや栄養導を行う)
□ 国民健康・栄養調査の実施
□ 地域の食堂やレストランなど、食に関する施設における衛生環境の監視と指導を行う
□ 集団給食施設における栄養管理の指導と支援を行う
主な職場は、都道府県庁、市役所、町役場、保健所、保健センターなどになります。
さまざまな職種の人と協働
保健師、看護師、歯科衛生士、医師などの専門職や事務職員、地域の協力団体やボランティアの人々とともに、連携協力して、地域の健康づくりに取り組みます。
行政栄養士の給与・休み・待遇が気になる
行政栄養士の給与・休み・待遇の目安を以下に紹介します。
養士業界専門の転職支援サービス「栄養士のお仕事」に掲載中の求人情報を参考にしました。
給与はどのくらい?
市役所や自治体運営の保育園・介護施設、保健所、省庁など、行政栄養士の職場は多岐にわたります。
雇用形態も正社員・契約社員・パートと選択肢が人によって異なる点も注意したいポイント。
つまり、職場や雇用形態によって給与が異なるため、行政栄養士の平均的な給与額は出すのが困難です。
それでも一例を挙げるとすれば、保健福祉センターで正社員として働く場合、給与額19万円~30万円前後と幅の広い求人情報があります。
また、正社員雇用の場合は、昇給制度や賞与制度を設けている職場もあります。
契約社員として市役所や保健所などで働く求人としては、17万円~21万円前後の募集が見受けられます。
パートの場合ですと、時給1,700円の求人、日給が最大で9,000円以上の募集もあるようです。
契約社員やパートの場合は、賞与や昇給制度が設けられてない職場もありますので、よく確認してください。
勤務時間・休暇はどれくらい?
勤務時間については、正社員・契約社員ともに8時間(フルタイム)での募集が一般的で、パートについては7時間の求人もあります。
働き方は就職先によって異なり、病院の場合はシフト制を採用している場合がありますが、市役所などでは土日祝日休みが通常です。
とはいえ、行事日に休日出勤を設定している役所もあるようですので、チェックしておきましょう。
残業に関しては、契約社員やパートの求人ですと「時間外なし」の表記をしている求人が多数見受けられます。
年間休日日数も、結局はどの職場で働くかによりますが、市役所を例に出すと120日~125日前後の職場があるようです。
待遇や福利厚生は?
正社員・契約社員・パート問わず、社会保険完備の求人がほとんどです。
その他の福利厚生としては、通勤手当、マイカー通勤可、定年制、再雇用制を設けている職場もあります。
行政栄養士に必須のスキル3選
熊本県の「行政栄養士育成指針」によれば、行政機関で働くために必要なスキルは、「基本的能力」、「行政能力」、「専門能力」の3つとあります。
基本的能力
社会人としての基礎であり、組織の一員として行動できる力です。
行政能力
行政運営に必要な根拠法令や通知を理解できる力です。
行政能力を身に付けるためには、「健康増進法」や「食品衛生法」などの栄養関係法令や「健康日本21」、「食生活指針」、「食事摂取基準」などの資料をしっかり読んでおくことが大切です。
専門能力
地域の健康課題を把握したうえで、目に見える成果が出せる栄養施策を展開する力です。
具体的には、健康診断のデータなどの分析や比較を行ったうえで、地域の特徴や課題を見つけ出し、その中から優先すべきテーマを決め、施策に取り組みます。
専門能力は、仕事をしながら身に付けるものですが、積極的な行動力や結果を出せる実行力のある人材が求められます。
また、さまざまな年代や立場の住民の話しを聞いて助言をする場面が多いため、相手の気持ちに寄り添って話を聞く力と、自分の意見をわかりやすく説明できる力も必要です。
さらに、多職種の人々と連携して円滑に業務を行うためには、高いコミュニケーション能力が必須となります。
行政機関で働くやりがいとは?
行政栄養士のやりがいとは、自分が考えた施策や事業を通じて、たくさんの住民の健康づくりに役立てることです。
地域の人々が、栄養指導を受けたり、健康講座に参加したりすることで、食事や生活の改善に取り組んだ結果、健診の数値が良くなったなどの報告を受けた時は、大きなやりがいを感じられるでしょう。
地域住民の健康づくりに貢献したい。都道府県や市町村などの地方自治体、保健所や保健センターでの仕事に興味がある。
こんな人は、行政栄養士を目指してみてはいかがでしょうか?
参考文献・サイト
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