学生寮や社員食堂で働く栄養士/管理栄養士は、健康的で美味しくて飽きない食事を提供するための栄養管理と健康管理を行う役割を担います。
学生寮や社員食堂では利用者さんとの距離が近いため、食事の感想や要望を直接聞けたり、「おいしかったよ」と言われることにやりがいや達成感が感じられる仕事です。
近年では、企業の社員食堂のヘルシーメニューが注目を集めて、本や雑誌で取り上げられることも増えました。
この記事では学生寮や社員食堂で働く栄養士/管理栄養士のお仕事について紹介します。
目次
学生寮や社員食堂での栄養士・管理栄養士の役割
学生寮や社員食堂で働く栄養士/管理栄養士は、利用者に喜ばれるおいしくて飽きない食事を提供すると同時に、健全な発育や生活習慣病の予防、健康増進に配慮した栄養管理と健康管理を行う役割を担います。
学生寮や社員食堂などの施設では、基本的に病院給食などのように食事制限はありません。
しかし、一般のレストランや食堂等とは違い、健康増進法や労働基準法などの法律で、栄養士または管理栄養士の配置に努めるよう定められています。
また、1回300食または1日750食以上の食事提供を行う施設では、栄養士のうち少なくとも1人は管理栄養士としなくてはならず、1回300食以上の食事を提供する社員寮については、栄養士を配置しなくてはなりません。
近年では、社員食堂のヘルシーメニューが注目され、レシピ本がベストセラーになったり、一般の方も社員食堂を利用できるようにしたりするなど、会社のイメージアップや宣伝に活躍することもあり、社員食堂で働く栄養士/管理栄養士の存在感は高まっています。
学生寮や社員食堂での仕事内容
学生寮や社員食堂における栄養士/管理栄養士の仕事内容について説明します。
どんな人を対象にするのか
学生食堂・学生寮を利用する学生や、社員食堂・社員寮などを利用する社会人を対象に食事を提供します。
学生は、おもに中高生から大学生が対象になるため、成長期に必要な栄養とボリュームのある食事が求められます。
社会人は20代から60代くらいまでの幅広い年齢層の方が対象となるため、生活習慣病やメタボ(内臓脂肪型肥満)など、健康にも配慮した食事が必要になります。
どんな仕事・職場があるのか
一般的な仕事内容は、献立作成や食材発注、食品管理、調理、衛生管理などになります。
食堂では、日替わり定食のみの単一方式やメインのおかずを選べる選択方式、利用者が複数のメニューから好きな単品料理を選べるカフェテリア方式など、さまざまなスタイルがあります。
栄養士/管理栄養士は、利用者がどのような選択をしても栄養バランスが良くなるようなメニューを工夫して作ります。
職場によっては、利用者の健康相談や栄養指導を行う場合もあります。
具体的には、健康診断の結果や食生活状況のアンケートをもとに、個別に食生活改善のアドバイスを行ないます。
また、献立のエネルギーや塩分量などを表示したり、食事と栄養に関する情報をポスターで掲示するなど、健康増進に役立つ情報発信も行います。
学生食堂や社員食堂では、おもに昼食のみを提供をしますが、朝食・夕食も提供する企業もあります。
また、24時間稼働する工場などでは、夕食の提供を行う場合もあります。
一方、学生寮や社員寮では、朝食と夕食の提供が中心になることが多いようです。
おもな職場は、学生食堂、学生寮、社員食堂、社員寮、スポーツ寮 などになります。
学校や企業が厨房を運営しているところは少なく、給食会社などへ運営を委託しているところがほとんどです。
どんな人と働くのか
食堂の支配人、ホールマネージャー、栄養士、調理師、調理補助や配膳担当のパート従業員と協力して、おいしく健康的な食事を提供します。
学生寮や社員食堂での給与・休暇・待遇
学生寮や社員食堂で正社員として働く場合の栄養士/管理栄養士の給与・休暇・待遇について、栄養士業界専門の転職支援サービス「栄養士のお仕事」に掲載している求人情報を元に説明します。
給与はどのくらいか
勤務先によって異なりますが、基本給は月給15万円~24万円ほどです。
基本給に加えて経験手当(2,500~5,000円程度)、家族手当(2,500~5,000円程度)、住宅手当(10,000~15.000円程度)、などがプラスされる場合があります。
食事補助として200円程度で賞与(ボーナス)についても勤務先によって異なりますが、年2ヶ月分~4ヶ月分ほどのボーナスが出るのが一般的です。
勤務時間・休暇はどれくらいか
勤務時間はシフト制にしていることが一般的です。
例えば、早番は5:00~14:00まで、遅番は14:00~23:00までという風に2交代制担っている場合が多いです。
有給休暇は、正社員の場合には採用後6ヶ月が経過すると、初年度で10日程度取得できます。有給申請のタイミングについては周囲の同僚に聞いてみましましょう。
待遇や福利厚生はどうか
福利厚生については勤務先によって異なりますが、正社員の場合には社会保険完備や交通費支給、住宅手当、退職金制度などに加えて、産休育休制度やマイカー通勤可など、働きやすい環境づくりが進んでいます。
学生寮や社員食堂で働くためのスキルや専門性
学生寮や社員食堂では、健康に良いだけでなく、見た目や味、ボリューム、季節感など、おいしくて満足できる食事を提供しなければなりません。
学生寮や社員食堂で働く栄養士/管理栄養士は、幅広い年代の方に喜んでもらえるバラエティー豊かな献立を考えられる発想力やサービス精神が必要です。
メニューレパートリーを増やすために、休日を利用しておいしいものを食べに行ったり、人気のレシピ本をチェックしたりと、栄養だけでなく食全般の情報にアンテナを張っておくことが大切です。
また、利用者の健康管理も行うため、病気の予防に関する知識が必要となります。生活習慣病の予防や、肥満予防のためのヘルシーな食べ方などの知識がとくに役立ちます。
共に働くスタッフだけでなく、食堂を利用する方、学校や企業側の担当者など、さまざまな立場の方と、円滑なコミュニケーションができる能力と、衛生管理の知識や限られた予算を上手にやりくりするスキルも求められます。
学生寮や社員食堂で働くやりがい
学生寮や社員食堂では、利用者さんとの距離が近いため、食事の感想や要望を直接聞ける機会が多くあります。
新メニューの評判が良く、「おいしかったよ」などと声をかけてもらえた時には、仕事の達成感ややりがいを感じられるでしょう。
また、食事や栄養の相談を受けた方から、「アドバイスのおかげでダイエットに成功した」「体調が良くなった」などの報告があれば、健康づくりに貢献できたという喜びを感じられます。
学生や社会人の健康維持やメタボ改善をサポートする食事づくりに興味のある方や、料理が好きで健康でおいしい食事の提供にチャレンジしたい方は、学生寮や社員食堂への就職や転職を検討してみてはいかがでしょうか?
参考文献・サイト
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