栄養士の職種・職場

自衛隊で働く栄養士・管理栄養士のお仕事とは?

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栄養士や管理栄養士の職場としてイメージされるのは、主に病院や学校、福祉施設だと思います。
ですが、栄養士や管理栄養士の仕事は多種多様。あまりに人に知られていない、珍しい場所でも活躍することができます。
そのうちのひとつとして挙げられるのが、「自衛隊」です。

今回は知らない方も多くいる「自衛隊での栄養士や管理栄養士のお仕事」について紹介したいと思います。

自衛隊で働く栄養士・管理栄養士の役割

自衛隊における栄養士・管理栄養士の役割は、日々激しく体を使って課業に励む自衛隊員のカロリー消費量を鑑みた献立を考案し、自衛隊で働く方々をサポートすること。

栄養や管理栄養士は基本的に駐屯地の隊員食堂で献立作戦から調理指導などを行いますが、自衛隊員は成人男性が圧倒的に多く、体力勝負かつ体が何よりの資本となる課業がメイン。
こういった「スタミナ勝負の男性」を対象として業務にあたるのは、自衛隊ならではの特徴と言えるでしょう。

自衛隊は、国の安全を保つために設置された部隊および機関です。
栄養士や管理栄養士として自衛隊に携わるということは、専門職の立場で国の安全の保全に貢献できる……ということ。
この仕事でしか味わえないやりがいといえるでしょう。

活躍できる主な職場

自衛隊とひとくちにいっても、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊とその職場はさまざま。
全国各地の駐屯地によって、献立作成の理念や調理方法、献立の特徴も異なります。
まずはご自分の目指す方向性と同じ場所を探してから決めるのがいいですね。

自衛隊における栄養士の主な仕事内容

自衛隊で働く栄養士・管理栄養士には「特別職国家公務員」の肩書きが与えられ、「防衛技官」とも呼ばれるようになります。
そんな栄養士の、自衛隊駐屯地での主な仕事は以下のとおりです。

  • 献立作成
  • 栄養指導
  • 栄養管理
  • 調理指導
  • 衛生管理
  • 野外炊事の献立作成支援

一見すると社員食堂や学食、給食の委託会社といった大量調理を行う職場とあまり変わらない内容に見えますよね。
ただし、そこは自衛隊で働く栄養士。自衛隊ならではの仕事内容として、「野外炊事の献立作成支援」が挙げられます。

災害時などに自衛隊が被災地へ派遣され、炊き出しを行っている様子をテレビなどで見たことがある……という人は多いのではないでしょうか。
自衛隊では、炊事車という特殊な車両や野外炊具という機材で、調理を行うことも珍しくありません。
防衛技官としての栄養士・管理栄養士は、自衛隊が外で炊事をする際の献立作成支援や栄養教育も行います。

また、普段から自衛隊員が調理場の業務を手伝うこともあるようです。

自衛隊で働く栄養士・管理栄養士の待遇

それでは、自衛隊駐屯地で働く栄養士・管理栄養士待遇について見てみましょう。

勤務時間

勤務時間は陸空海の駐屯地で共通して7時間45分(休憩は除く)
業務の状況によっては、残業が発生する場合もあります。

平日勤務になりますので、土日祝日はお休みです。
どこの自衛隊に属するかでも違いますが、有給休暇や夏季休暇、年末年始休暇、病気休暇、結婚休暇、産休、育休、介護休暇など、各種休暇を設けている職場もあります。

給与

そもそも自衛隊で働く栄養士は国家公務員として働くことになりますので、一定の条件と経験を満たしている場合は「俸給表」に沿って決まります。

俸給表とは?

国家公務員の給与は法律によって決定され、「俸給」と「諸手当」という区分の合計で決まります。
俸給には職務や保有資格ごとに給与が定められた「俸給表」という基準があり、栄養士・管理栄養士はそのなかの「医療職俸給表(二)」という区分に該当します。

 

給与は俸給表の基準に則って経験や実績に合わせた形で決まるため、平均額を表すのは難しいですが、目安としては15万円~25万円前後と考えるとよいでしょう。

社会保険など

手当に関しては陸空海ごとに異なりますが、通勤手当、期末・勤勉手当(ボーナス)、扶養手当、住宅手当など、各種諸手当がつく場合もあります。

自衛隊で働くには?

就職試験は陸空海のどの自衛隊に応募するかによって異なりますが、筆記・面接・身体検査のすべてをクリアしてはじめて駐屯地で働くことができます。

受験資格はあるの?

以下に当てはまる人は受験することができません。

  • 日本国籍をもたない人
  • 成年被後見人または被補佐人
  • 禁錮刑以上の刑に処せられた人。執行終了まで、あるいは「執行を受けることがなくなるまでの」人
  • 法令規定によって懲戒免職処分を受けた人
  • 懲戒免職処分から2年の経過がない人

また、陸上自衛隊と海上自衛隊の場合は以下の条件に当てはまる場合も受験不可としています。

  • 日本国憲法、またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党やその他の団体を結成・加入した者
  • 自衛隊法第44条の2(自衛官以外の隊員の定年及び定年による退職の特例)に該当する者

参考:防衛省「防衛省職員(任期付採用)募集(受験)案内」

なお、自衛隊員として入隊してから栄養士の資格を取得して、駐屯地の栄養士になることも可能です。

就職試験は筆記・面接・身体検査で構成

就職試験は陸空海のどこに応募するかによって異なりますが、筆記・面接・身体検査の3種類で構成されています。
一般的に航空自衛隊の駐屯地に応募する場合は2種類の受験、陸上と海上は3種類すべてを受験する必要があります。

陸空海によって試験申し込みの際の必要書類は多少異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

  • 栄養士または管理栄養士免許の写し
  • 受験応募票(採用試験申込書)
  • 最終学歴を証明するもの(卒業証書など)
  • 返信用封筒
  • 直近6ヶ月以内に撮影したカラーの証明写真

また自衛隊で栄養士・管理栄養士として働く際は、任期が決まっている点にも注意が必要です。
任期は陸空海によって異なりますが、陸上だと大体1年、航空だと2年が一般的。
任期延長の更新が可能な職場もあります。

編集者より

自衛隊で働く栄養士・管理栄養士は、自衛隊員の任務を影から支える重要なポジション。
外野炊事や自衛隊イベントなど、自衛隊ならではの業務内容も発生しますが、業務内容自体は社員食堂や学生寮などで働く場合とあまり変わらない点もあります。
とはいえ、なかなか貴重な実績を積むことができるかもしれませんね。

国家公務員としての立場での仕事を経験してみたい人は、自衛隊の採用募集をチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考文献・サイト