栄養士の職種・職場

地域で働く栄養士・管理栄養士のお仕事とは?

地域・在宅訪問

地域で働く栄養士/管理栄養士は、栄養ケア・ステーションやフリーランスで地域住民の健康づくりを支援する活動を行っています。主に担っている仕事は①食育、②栄養相談、③在宅訪問栄養指導です。

収入が安定しないこともありますが、子育てや介護など家庭の事情に応じて働き方の選択ができるというメリットもあります。

この記事では地域で働く栄養士/管理栄養士のお仕事について紹介します。

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地域での栄養士/管理栄養士の役割

地域で働く栄養士/管理栄養士は、さまざまな現場で経験を積んだのち、個人事業主(フリーランス)や栄養ケア・ステーションの一員として、地域住民の健康づくりを支援する活動を行います。

栄養ケア・ステーションとは、栄養ケアを提供する地域密着型の拠点として、日本栄養士会が認定し、各都道府県に設けられています。

地域住民や自治体、健康保険組合、民間企業、医療機関、薬局などから、栄養相談や特定保健指導、セミナー、研修会、料理教室の開催などの依頼を受け、所属する栄養士/管理栄養士が対応します。

地域での栄養士/管理栄養士は、食生活の困りごとを相談できる身近なアドバイザーとしての役割が求められます。

地域住民のニーズに応じて健康支援活動を行うことで、健康増進や病気の予防、介護予防などの助けになるとともに、医療費や介護保険料の削減につながる効果も期待されています。

地域での仕事内容

地域における栄養士/管理栄養士の仕事内容について説明します。

どんな人を対象にするのか

乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、成人、妊産婦、高齢者など、活動する地域で生活する幅広い年代の方を対象に、健康支援活動を行います。

どんな仕事・職場があるのか

地域における栄養士/管理栄養士の仕事内容は多種多様ですが、主に①食育、②栄養相談、③在宅訪問栄養指導の3つの業務が中心になります。

①食育

地域の子供達や保護者を対象に、食事の大切さを伝えるお話し会を行ったり、成人や高齢者を対象に男性料理教室や介護予防教室などを開催したりと、健康増進に役立つ食事についての啓蒙活動を行います。

②栄養相談

地域の保健センターで実施される健康診断で特定保健指導を行ったり、乳幼児健診時に保護者からの食事相談を受けたりといった内容の仕事があります。また、病院や薬局などで栄養カウンセリングを行う場合もあります。

③在宅訪問栄養指導

生活習慣病にかかっている在宅患者さんや介護を受けている高齢者の自宅に訪問し、栄養指導を行います。

その他にも、地域によっては栄養士/管理栄養士がグループを作って、食育活動などを行うことがありますが、その場合は、ボランティアで活動することが多いようです。

おもな職場は、保健所、保健センター、市役所の健康課をはじめ、病院、クリニック、薬局、保育園、幼稚園、学校、スポーツクラブ、町内会、地域包括支援センター、介護施設、栄養ケア・ステーションなど、さまざまな場所や施設で活動をします。

どんな人と働くのか

保健師、看護師、助産師、医師、調理師、介護スタッフ、社会福祉士、介護支援専門員、健康運動指導士、行政の管理栄養士、栄養士など、多職種の人々と協力して、地域住民の健康支援活動を行います。

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地域で働くためのスキルや専門性

地域における栄養士/管理栄養士に求められるスキルや専門性は、仕事内容ごとに異なります。主な3つの分野については以下のとおりです。

①「食育」を行うには、栄養や食事についてわかりやすく話したり、興味や関心を引き出したりする表現力が欠かせません。食育基本法を理解し、食育関連の資格を取得するなど、専門知識をつけておくと役立ちます。

②「栄養相談」の中でも特定保健指導では、健診結果を読み解く力や生活習慣病の予防・改善へつながる食事管理の知識をはじめ、行動変容に導くための指導能力が求められます。

③「在宅訪問栄養指導」では、在宅医療と関わる多職種と連携するためのコミュニケーション力や、在宅療養を行う方の疾患や病状、栄養状態に適した栄養食事指導の知識が必要です。

また、在宅訪問に関しては、専門資格である「在宅訪問管理栄養士」が設けられており、より専門性の高い栄養指導も求められています。
在宅訪問管理栄養士に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

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その他にも、地域で働くスキルとして幅広い知識と人生経験が役立ちますが、加えて大切なことは、対象者や家族の立場を理解し、思いやりをもって支援をする気持ちです。

今までに関わってきた仕事や主婦業、子育て、介護など、あらゆる人生経験が地域の仕事に活かされます。

地域で働くやりがい

地域で働くやりがいは、栄養士/管理栄養士として地域の方々に寄り添い、食を通じて心と体の健康づくりに貢献できることです。

また、地域の人やさまざまな職種の方々との出会いによって、仕事の幅が広がり、色々な知識や経験が身につくことで、スキルアップやキャリアアップにも繋がっていきます。

地域で働くメリットは、子育てや介護など家庭の事情に応じて、働き方の選択ができることです。ただし、いつも仕事があるとは限らないので、収入が安定しないというデメリットもあります。

仕事のブランクがあり、自分のペースでゆっくり働き始めたい方には、最適な働き方ともいえるでしょう。

資格と経験を生かして地域での仕事にチャレンジしたい方や、人と接するのが好きで地域の健康づくりに貢献したい方は、地域で働く栄養士/管理栄養士を目指してみてはいかがでしょうか?

参考文献・サイト

  • 神奈川県栄養士会「地域活動事業部会」(2018/06/25)
  • 日本栄養士会「就職ガイド」(2018/06/25)
  • 栄養士の就職・転職なら「栄養士のお仕事」におまかせ!

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    ABOUT ME
    山田 由紀子(管理栄養士)
    短大卒業後、栄養士として給食会社や病院で勤務しながら、管理栄養士免許を取得。結婚出産を経て、フリーランスに転向し、特定保健指導などの栄養指導業務を中心に活動。現在は、栄養関連記事の執筆、レシピ作成、栄養監修を専門に、在宅で仕事をしている。管理栄養士の資格を活かして、生涯現役で仕事を続けるのが目標。