勤務先を退職する際は、トラブルなく、円満に退職したいですよね。そのためには退職するまでのスケジュールをしっかりと計画し、実践することが大切です。ここでは栄養士さんの円満退職のコツを時系列にてご紹介します。
退職のタイミングを考えよう
クレジットカード作成やローンを組む時は気つけよう
退職して勤務先がない期間は、ローンやクレジットカードの申し込みが難しくなります。ローンを組むご予定やクレジットカードを新規加入する予定の方は注意しましょう。
また、失職中は住民税の支払い、国民年金や国民健康保険の加入もしくはご家族の被扶養者になる手続きや支払いをご自身でしなければなりません。また、健康保険の任意継続被保険者制度を利用される方は、手続きが必要です。
失業保険、退職金をもらえるか確認しよう
失業保険の給付を考えておられる方は、自分が受給条件を満たしているか、退職後いつ頃から何日間給付されるかを確認しておきましょう。
詳しくはハローワークのページをご覧ください。
また、就業規定を見て退職金制度の有無もチェックしましょう。制度がある場合は自分が要件(例えば勤続年数3年以上など)を満たしているか、どの位退職金をもらえるのかを確認しておきましょう。
退職の意思を伝えよう
退職意思を伝える時期について、勤務先の就業規則を確認してください。
法律上は、退職日の2週間前までに勤務先に申告すれば問題ないとされていますが、勤務先によって独自の規則を設けているところも多いです。円満退職のために、勤務先のルールに沿って行動するようにしましょう。
後任の栄養士を探したり、引継ぎ業務のことを考えたりすると、なるべく2~3ヶ月前までには直属の上司に退職の意思を伝えられることが理想的です。
栄養士は人手不足のところが多く、引き留められる可能性も考えられますが、「辞めよう」と決意したのであれば、その気持ちを大切にしてください。
ただし退職理由を聞かれた際は、「給与や休みについて不満があったから」といった会社についてネガティブなことは、口にしないようにしましょう。
「新たな環境にチャレンジしたい」などポジティブな理由か、家庭の都合などやむを得ない事情を説明できるといいかもしれません。
退職が承認されたら、退職日を決め、引継ぎや退職手続きについて話し合いをしていきましょう。
退職願の記入
退職日が確定したら、「退職願」を直属の上司に提出します。
目安としては退職日の1ヶ月頃の就業規則の定められた日までに提出するようにしましょう。退職願に決まった書式が設けられている場合は規定に従い、それ以外は基本的に縦書きでも横書きでも自由な形式で記載して構いません。
以下の項目と書き方を参考に、記入してみてください。
- 退職理由
- 自己都合退職の場合は、「一身上の都合」と記載します
- 退職日
- 上司と相談した退職希望日を記載します
- 文末
- 「退職願」のため、「お願い申し上げます」といった文末で締めくくります
- 署名
- 宛名より下に、所属部署(栄養科など)とともに氏名を書き、捺印します
- 宛名
- 宛名は会社の代表者の名前を書きます。会社であれば社長、病院であれば院長、保育園であれば園長の名前を書くことが一般的です。法人名や会社名も省略せず書きましょう。
- 書き方
- 黒の万年筆もしくはボールペンで書き、封筒に入れて提出します。封筒には「退職願」の文字を中央に縦書きで書き、裏側に「栄養科 ○○△△」と縦書きで書きます。
文字のバランスをとるために、下書きを一度書いて、それを基に清書して書くのがコツです。
引継ぎ
後任者が決まれば、退職までに自分の担当していた業務を引き継ぐようにしましょう。
後任者が中々決まらない場合でも、上司の指示の下マニュアルを新しく改訂する、書類で残せるものは残しておくなど、出来ることから引継ぎ業務を行います。
限られた時間になりますが、自分の担当業務を改めて整理し、漏れのないように注意してください。ただし勤務先の書類は勤務先に帰属するため、持ち出しは厳禁です。
自分が後任者の立場になった時のことを想定して、分かりやすい引継ぎを心がけましょう。
身の回りの整理をしましょう
退職までに勤務先へ返却するもの、また勤務先から受け取るものを確認しておきましょう。
「あの書類を受け取っていない」というトラブルを防ぐためにも、受け取ったものはきちんと整理して、なくさないように保管します。勤務先から受け取る書類の中には、郵送で送られてくるものもあります。
退職と同時に引越しされる方は、郵送書類の有無を確認して、新しい住所を伝えておくようにしましょう。
退職時に勤務先へ返却するものの例
- 健康保険の被保険者証
- 制服、エプロンなど
- 社員章、名刺など
- ロッカーなどの鍵
- 個人的に借りていた本など
退職時に勤務先から受け取るものの例
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職票
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- (必要であれば)健康保険任意継続申請書
勤務先から受け取る書類は、手渡しで受け取るのか、郵送で送られてくるのか確認します。
また雇用保険被保険者離職票に記載される離職理由によっては、失業給付の開始時期を早めてもらえる場合があります。何か特定の理由で離職された方は、離職理由を担当者へ報告しておいた方がよいでしょう。
退職日には
退職日の前までに、お世話になった人へお礼の挨拶をするとともに、他部署と関わりのある業務には、後任者とともに挨拶回りをしましょう。
退職日には、その部署によってお菓子やハンカチなど定番となっているお礼の品があれば、用意します。
今までの感謝の気持ちを伝え、新しいスタートへと進んでいってください。